不妊症
   
最近の
不妊症の動向
  不妊と健康保険
 
     厚生省保険局では不妊症にまつわる体外授精や人工授精への保険適用の適否をめぐり検討を加えています。現行の健康保険法では施行当初、
 ・ 平常の労務を行うために支障をきたす者
のみを保険の対象とし、平常の労務に支障をきたさない程度の疾病は、保険給付 の対象から原則として除外しています。

昭和16年には、労務能力と直接には関係なくても治療が必要と認められれば保険給付の対象とすることになったほか、不妊症については、昭和37年の通知 により性刺激ホルモンなどの医薬品について不妊症が療養の対象となった経緯があります。 そして現在、その多くの検査、治療法などが保険適用となっています。
  体外受精・人工授精
 
   

 ところが体外授精と人工授精については、現在は保険適用は行われておらず、 自費あるいは研究費の中でまかなわれているのが実状です。 これには、以下のような事情が背景にあるためとされています。

 ・ 体外授精で約20%、人工授精で約10%と、成功率が低く、
   多胎妊娠や早産に関する安全性についても課題が残されており、
   医学的に確立された技術とは必ずしも言えない

 ・ 授精そのものを人工的な手技によって行うことの妥当性や、 男女
   生み分け問題、代理母の問題といった点に関して社会的な合意 が
   十分に得られていない

  ・日本産婦人科学会や日本母性保護産婦人科医会などの関係専門 団
   体などにおいても、 様々な意見や議論があり、統一した見解が 出
   ていないーなど。

しかし、体外授精や人工授精が不妊症の夫婦に福音となっているのも事実です。 厚生省保険局では今後、安全性などの医学的課題が解決され、社会的にも合意が 得られた時点で、 この問題に関しては、中医協の場で検討を行う方針のようで す。

  不妊と不妊診療
 

最近の不妊症の動向
卵管性不妊
婦人科における
腹腔鏡下手術

体外受精の概要
人工受精の概要

 

 子供の生まれない夫婦はたくさんおり、人口の約1割を占めています。
不妊に は多くの原因があり、
 
・ 妻に原因がある場合を女性不妊
  ・ 夫に原因がある場合を男性不妊
と呼びます。 しかし、夫婦両方に原因がある場合も少なくありません。男性 不妊の場合、いろいろな原因がありますが、 最近では全体の約30%と増加の傾向を呈しております。女性不妊も様々な原因があり、 その原因に対応するいろいろな治療法が 開発されてきております。

不妊診療の最近の変貌には
 ・ホルモン定量の簡素化、精密化  
 ・画像診断、 特に経膣超音波断層法の精度向上と普及  
 ・腹腔鏡、 子宮鏡による診断と治療への応用、  
 
・ 新しいホルモン剤による卵胞成熟や排卵誘発のコントロールなど

が比較的に手近に行えるようになったためと思われます。
 子供が生まれない場合には、できるだけ夫婦の年齢の若いうちに、 各種検査を 受けて、早い時期に治療を開始することをおすすめします。  

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